リール美術館にあったヤーコブ・ヨルダーンス(1593ー1678)の習作の絵を、医師ガッシェがコピーしたドライポイントをもとに描いたようだ。
ゴッホは1890年7月29日に亡くなているので、最晩年の作品の一つだといえる。
ヨルダーンスはアントウェルペンの人で、現在の国としてはベルギーということになるが、ベルギー、オランダはネーデルラントが二つに分裂しただけの土地なので、ゴッホにとっては故郷の匂いのする画家に違いない。
ヨルダーンスの作品を模しながら、ゴッホはネーデルラントの土の匂いを味わっていたのではないだろうか。